私の名前は。 白いフリルつきのメイドさんコスチュームがばっちり似合うお年頃v もちろん、キュート&ラブリー美少女♪ 今日から、日本の――ううん、世界の経済界を左右するほどの財力を持つと言われているグラード財団総帥のお屋敷でメイドとして勤めることになったばかり。 この就職難の時代に、希望通りのお仕事をゲットできるなんて、私、ほんとについてる。 こちらのお屋敷は使用人の待遇もすごくいいの。 新米メイドにもプライバシーを守れるくらいの個室をあてがってくれるし、お給料も相場の3割増し。 もちろん、住み込みだから、OLみたいに9時から5時までのお勤めとはいかないけど、その代わりに週休3日、有休は年20日。 しかも、私がお仕えするご主人様たちというのが――そりゃあもう、すこぶるつきの美形ばかり。 天真爛漫・ショタ向けキャラの星矢様。 一見知性派・実は肉体派の紫龍様。 あんまりお屋敷にはいらっしゃらないみたいだけど、野性的ブラコンの一輝様。 それから、キュートでチャームな可愛子ちゃんタイプの瞬様と、 金髪で! 碧眼の! ロシア人とのハーフの氷河様。 これを天国と言わずして、何を天国と言うの! 夢見る乙女の職場として、これ以上の場所はないと思うわ! 「初めまして。今日から、皆様づきの世話係になりました、です。よろしくお願いいたします」 でも、天国を天国として楽しむためには、まず、ご主人様方に気に入られなくちゃね。 私はちょっと緊張しつつ、でも、精一杯の笑顔を、私のご主人様方に向けた。 「へー、俺たちの世話係、また替わるんだ。あ、俺、星矢。さん、よろしくな」 「紫龍だ。よろしく、さん」 「さんっておっしゃるんですか。可愛いお名前ですね。僕、瞬です。何か困ったことがあったら遠慮しないでおっしゃってくださいね、さん」 ドリーム小説の醍醐味って、こういうとこよね。 星矢様、紫龍様、瞬様が、私の名前を呼んでくださる。 おまけに私(の名前)を『可愛い』だなんて、もう、私、天にも昇る心地よっ! テレビでギャラクシアン・ウォーズを見た時には聖衣を着ていたご主人様たちも、お屋敷内では私服。 綺麗どころが揃って、リビングのソファにくつろいでらっしゃる姿は、もう壮観! 私、つい、ぼ〜っ☆ としちゃったわ。 こんな綺麗なご主人様方に毎日お仕えできるのなら、メイドだって下女だって奴隷だって全然おっけー、問題なし! 氷河様は私にお声をかけてくださらなかったけど、こうなると無視されるのだって快感よ。 ご主人様方、私、死ぬ気でご奉仕させていただきますー!! |