「場所を変えればいいんだな」
言うなり、氷河様は、自力では立ってることもできないでいるらしい瞬様のお身体を抱き上げて――お姫様抱っこよ、お姫様抱っこ! ――瞬様を抱いたまま、お二人のいらした場所の横にあった瞬様のお部屋のドアを、器用に開けて――そして、中に入っていった。

当然、氷河様には、ドアをきっちり閉める余裕なんかないわけで――、そしたら、もう、私のすることはただ一つ!
私は、足音を忍ばせて瞬様のお部屋のドアのところまで注意深く移動すると、そーっとその場にしゃがみこんで、ドアの隙間から部屋の中を覗いてみたの。


そしたら、まー!
さすがは、光速の拳を操る聖闘士ねっ。
私が廊下を50メートル移動してる間に、氷河様はすっかり瞬様のお召し物を脱がせちゃってて、瞬様の白い脚が宙で揺れ――ああ、この期に及んで、そんな、もってまわった言い方してる場合じゃないわ!

瞬様の両脚は、氷河様の肩の上!
氷河様が腰を動かすたびに、その脚が揺れて、その動きに合わせて、瞬様の泣いてるみたいな喘ぎ声が大きくなったり小さくなったり!

お部屋の電気がついてなかったとしても、そのお声だけで、氷河様が瞬様にナニをしてる状態なのか、私にはきっとわかったと思うわ。
氷河様が突き上げると、瞬様のお声が大きくなり、氷河様が身を引くと、瞬様のお声は切なげに細くなり、そして、その繰り返し。


んでも、ほんとにさすがは聖闘士ね。
ハンパじゃなく長いのよ、その繰り返しが!
フツーの人間なら、とっくに4、5回は天国にイッてるわよっ! ってくらい、氷河様の攻撃は執拗で、でも、瞬様の防御力も相当のものらしく、簡単には陥落しない。

スゴい、スゴい、何もかもがスゴいのよっ!


その間、私の心臓はずっと最高心拍数を維持してたわけで、そのままそんな状態でいたら、ヘタすりゃ私の方が死んでたかもしれないわ。
でも、それもやっと終わりに近付いてきた。


瞬様のお声が、掠れて、荒い息使いだけになり、瞬様は、途切れ途切れに、
「氷河、もう駄目、僕、もうだめ……」
とか何とか、終わりを要求しだして、それを聞いた氷河様の動きが段々速くなっていって、そして、そうして、瞬様は、氷河様の渾身の最後の一撃に、長い悲鳴を響かせて――長く激しいそれは終わった……みたいだった。


私、氷河様の強烈な攻撃を受け続けた瞬様よりぐったりして、しばらく夜の廊下でヘタってた。


氷河様も瞬様もすごい。
すごすぎるわ……。






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