沙織嬢の護衛戦隊──聖闘士と言ったかしら。
これは、非常に良い素材ですわね。

氷河の方は、鍛えてあって、いい身体。
体力があって、持続力も期待できそう。

瞬の方はといえば、これまでに、かなり慣らされていたのね。
口では嫌と言いながら、氷河の愛撫にすぐにいい声で鳴きだしたわ。

「離せ、敵にこんなことをされるくらいなら……あ……嫌……」
「瞬、本当に俺を忘れてしまったのかっ!」
「やめろ、はな……」
「瞬、思いだしてくれ」
「嫌……こんなこと、ああ……っ!」
「瞬……」
「やめて、そんな……やだ」
「……おまえは俺のものだ」
「あっ……あ……やっ……ああ……ん……!」

――と、お決まりのセリフがスピーカーから流れてくる中、持てる技のすべてを駆使して、氷河は必死の説得。
一生懸命努めている男を見るのは、とても楽しいものですわ。
あたくしは大好き。

沙織嬢はどうお感じなのかしらと思って、あたくし、ふと隣りの沙織嬢の様子を盗み見てみましたの。
そうしましたら、彼女、こういう高雅な場面を生で見るのは初めてなのか、とても真剣な目をして、食い入るようにスクリーンに見入っていたわ。

やはり、彼女はこの風雅にして優雅な趣を楽しめる貴族の高貴さを備えていたようですわね。
あたくしは、あたくしの人を見る目の確かさに自信を深めて、視線をスクリーンの上に戻しましたの。






【next】