LOTR日記2003 *上から順にあたらしい文章です
【二つの塔の感想アレコレ (ネタばれ)】
●ボロミアは?
「ボロミアの追加シーン撮影のため、ショーンがニュージーランド入り」
というニュースがあったのは6月だったでしょうか?
上映中までは、いつ来るかと楽しみにしていたのですが・・・・・・
今にして思えば、それらしいものはなかったように思います。
スペシャル・エクステンデッド・エディション(以下SEE)に入るんでしょうか?
それとも第3部?
追加シーンが上映されなかったショーンの胸中やいかに?
●デアゴルは?
『二つの塔 オフィシャル・ガイド』(角川書店)、スメアゴルの紹介ページに、1枚の気になる写真がありました。
川の上のボートに、2人のホビットらしき人物が乗っているのです。
原作読者には、スメアゴルとデアゴルにしか見えません。
指輪入手のくだりをやるのだろうと、期待していました。
フロドがゴラムを「スメアゴル」と呼んだときのゴラムの表情・・・・・・
あのシーンが来るぞー、と思ったら、いつまで経っても来ませんでした。
これもSEEでしょうか?
●ゴラム?
『指輪物語』の映画化、そしてキャラクター紹介を見たときに、
ゴクリが「ゴラム」になっていて、なんとも言えない違和感を感じたものです。
しかし、映画を何回も見て、そして色々な場所で「ゴラム」という言葉を目にしているうちに、
「ゴラム」に違和感を感じなくなっていました。
しかし・・・・・・
ゴラムがしゃべる時の字幕まで「ゴラム・・・ゴラム・・・」って・・・・・・
「ゴクリ」を原語のまま「ゴラム」にしてしまった弊害がこんなところに。
●ハルディア?
原作との差異は多すぎるくらいあるんですが、特に納得の行かない点の一つがハルディアです。
ハルディア率いるエルフの援軍が来ることが既にびっくりなんですが、途中であっさりと殺されてしまいます。
今にして思えば、ハルディアが到着した際のアラゴルンとの抱擁は、このために用意されたのかもしれません。
●オークの聖火ランナー?
原作にて、「サルマンの魔法だ」と言われる、城壁の崩壊。
PJ版では、爆弾に火を点けるウルク=ハイ?が聖火ランナーのように描かれています。
これはちょっと悪乗りのし過ぎな気がします。
B級映画の監督としてのちゃめっ気でしょうか?
●エント
原作の表現からは想像もしていなかったほど、木でした。
それはいいとして、木の髭に乗せられてメリーとピピンが移動するシーン。
2人がアップになるシーンがいかにもな安っぽい合成に見えて、萎えました。
●ラストシーン
一番残念だったのは、原作と終わる場所がぜんぜん違うことです。
もっとも、第1部も原作とは違う場所で終わっているんですが、「時間の関係で」という言い訳だったら非常に残念です。
原作通りに終わっていたら、非常に(原作未読者)を次回までヤキモキさせられたでしょうに。
【二つの塔、第一印象】 2002 02.21
2月15日、『二つの塔』の先行オールナイトに行ってきました。
私の正直な第一印象は「ガッカリ」です。
オールナイトは朝まで3回上映するので、3回連続見るつもりで家を出ました。
しかし、1回目の途中で既に、
「あ〜、これはしばらく見なくて良いかな」
という気持ちになり、1回の鑑賞で劇場を出てしまいました。
第一部は、試写会を見た翌週に先行上映で3回続けてみましたし、さらに次の週の一般公開でも見に行き、
結局 上映期間中に10回は見に行っています。
10回目でなお涙を流しましたし、DVDも2種類購入し、それぞれ鑑賞しています。
第1部は原作ファンの私にとって、『指輪物語』の映画化という、予想もしていなかったまさかのファンサービスのような感があり、
映画の内容以上に、「あの指輪物語が映画化された!」という感動がずいぶんありました。
それに対して、第2部はある意味で予測の範囲内であり、冷静に見れてしまったために感動が薄かったのもあるかも知れません。
第一部とストーリーが違う以上、まったく同じ感動はありえないのは、当然といえば当然ですね。
しかし、今回はSFXにばかり目が行き、肝心の内容のに関しては、あまり私の中では盛り上がりませんでした。
アカデミー賞ノミネートが編集賞、美術賞、視覚効果賞などというのも良く分かる気がします
(作品賞にもノミネートされてますが、こちらははたして?)。
とはいえ、もちろん、第2部がすべて駄目と言っている訳ではありません。
良かったところ、気に入らないところをそれぞれ挙げて感想を述べたいところですが、
今回は「ガッカリ」という総評だけにしておきます。
第2部鑑賞から一夜明けて思ったのは、
もしかしたら、第2部公開までの間に(自分でも気がつかないほど)期待が高まり過ぎてしまった故に感じた不満なのではないか?ということです。
「ガッカリ」ではなく「拍子抜け」なのかもしれません。
少し時間をおいて、また見に行って来ようと思います。
(この文章は、小伝馬カイルさんのLOTRファンサイト「最後の憩い館」に投稿した記事に加筆修正したものです)
【マガジンのLOTR】
2月13日発売の『週間少年マガジン』の表紙がLOTRです。
サムの代わりにボルジャーがいます。
そして、ギムリがいません。
イラストを描かれた真島ヒロさんは、マガジンで『RAVE』というファンタジー冒険モノを連載しています。
「ファンタジーを描く才能がないなぁ」と思いながら毎週読むのが楽しみなマンガの一つです。
絵柄に関しては好みによるでしょう。
「マガジンの表紙がLOTR」と聞いて、あの下手うまな絵柄でどのようにLOTRを再現するのかこわごわだったのですが・・・・・・
似ていないのはまあ、良いでしょう。
漫画家として自分の色を出したいのかもしれません。
しかし、キャラによって扱われ方が全然違うのは、どうかなぁと思いました。
中心にいるフロドと、その脇にいるアラゴルン、レゴラスは非常に美化されて描かれています。
同じくフロドの脇にいるアルウェンとサムも丁寧に描かれていますが、サムはボルジャーのようになっており、
アルウェンは丁寧に描かれているだけで、描いた側の愛というか、気持ちが感じられません。
これら5人より若干遠巻きに、メリーとピピン、ガンダルフ、そして木の髭が描かれていますが、
ガンダルフとメリー、ピピンはまるで殴り描きかのようです(特にメリーとピピン)。
しかし、やっぱり一番の問題はギムリがいないことでしょう。
日本におけるギムリファンの少なさ、いや、PJ版におけるギムリの扱いを考えれば、むしろ問題ないのでしょうか。
まあ、木の髭の声はギムリ役、リス=デイヴィスがやっているわけですが・・・・・・(←なんか違う)
さて、表紙を開くと、巻頭カラーで『二つの塔』の説明のあと、
真島ヒロさんによるパリのワールドプレミアのレポートが、写真とイラストで紹介されています。
ここだけ立ち読みをされた方は気付かなかったかったかも知れませんが、
実は真島ヒロさんの連載マンガ『RAVE』のあとに、ワールドプレミアのレポートマンガが8ページあります。
巻頭カラーのレポートと合わせて、一般人には縁のない世界が見れて、とても楽しいです。
真島さんは随分いい思いをされたようで、とてもうらやましいです。
【キンダーサプライズ】
キンダーサプライズにLOTRのフィギュアが入っています。
まだ購入されてない方でも存在自体はご存知かと思いますが、いちおう説明しておくと、まあチョコエッグみたいなもんです
(チョコエッグがキンダーサプライズをパクったわけですが)。
私は食玩というものは以前から好きな性質で、職場の机やモニターの上には所せましとその手のものが並んでいました
(まえの職場はそういうのがアリのところだったのです)。
そんな訳で、発売日にいくつか買ってみましたが、すごいです。
まったく似ていない。
似ていないのに怒りが湧いてこないから不思議です。
衣装でそれと分かるものの、かなり独自の路線を行ってる感じです。
滑稽でどこか愛らしい造型は、不思議な雰囲気を醸し出しています。
さて、このキンダーサプライズ、残念なのは販売方法です。
1箱2個入り300円で販売しているのですが、2つのうち一方しかLOTRが入っていません。
残りは従来のオマケなのです。
すなわち、LOTRのオマケの倍、チョコがたまっていく事になります。
現在、手元にあるのは
サム
メリー&ピピン
アルウェン
ガラドリエル
の4種です(メリー&ピピンとサムはダブったのであげてしまいました)。
チョコはけっこう美味しいんですが、多量のチョコ、いらないLOTR以外のオマケ、金銭的問題など、コンプリートは難しいと判断しました。
購入はしばらく見送りです。
【赤くない】
赤くないです。
これはある意味、大変なことだと思うんですが……
なんの話しかというと、DVDのパッケージと、DVDのメニュー画面のことなんですが、
原作を(1巻だけでも)お読みになられた方はご存知かと思いますが、
『指輪物語』はビルボが書き記した文章の後に、フロドが続けて自身の指輪戦争の経験を書き記した、
ということになっており、その装丁からいわゆる”赤表紙本”と呼ばれています。
PJ版はグリーンがイメージカラーになっているようで、
そう考えればDVDのパッケージがグリーンなのは当然と言えば当然ですし、
また「DVD=映像化された赤表紙本」ではなく、「DVD=原作の映像化」として考えるなら
グリーンの装丁もアリなのかも知れません(パッケージ自体も悪くないですし)。
しかし、原作(の日本語訳)はカバーを外せば、どれも赤くなってますし、
『旅の仲間』のサントラの豪華版も、赤表紙を模していました。
いちファンとしては、DVDも赤表紙を模してほしかったものです。
まぁ、いまさら気が付いた自分も相当アレです。
はっ! 『王の帰還』後のSEE3本セットが赤表紙!?(←出るのか?)
【スーパー・エクステンデッド・エディションの話】
正月に、やっと『スーパー・エクステンデッド・エディション(以下、SEE)』を鑑賞しました(2日かけて)。
すごく良いです。
これぞ、LOTR!「完全版」という表現こそ、SEEにふさわしいでしょう。
いや、劇場版とコレクターズ・エディション(以下、CE)を「簡易版」とか「縮小版」とか表現して欲しいもんです。
どうして、これを劇場公開の本編としてくれなかったんでしょう?
第一部に対して感じていた不満の多くは、SEEで解決しました。
LOTRファンなら、ほとんどの方がSEEを見ていることと思うので、
劇場公開版(及びコレクターズ・エディション)との具体的な差異については、ここでは触れませんが、
追加映像の中でも私が一番気に入っているところをひとつ、紹介しましょう。
それは、アセラスを探す直前のトロルに対するくだりです。
CE等では、風見が丘で黒の乗り手が去った後、場面転換→アラゴルンがサムにアセラスを探すように言います。
この時、背景に石化したトロルがいるだけであり、
ファンの間では「監督のこだわり」、「実はここに〜」程度のお楽しみといった感じした。
ところがSEEでは、風見が丘から場面転換した後、
「トロルですよ。ビルボ様が言っていた・・・(大意)」
という、サムのセリフが入るのです。
どうして私がこのシーンを一番気に入っているのか、自分でも分かりません。
ただ、SEEについて考えると、まずこのシーンが自然と頭に浮かんでくるのです。
思い返せば、原作を読んでいるときも、石化したトロルが出てきた場面で、ひどく嬉しかったものです。
●頭に浮かんでくる追加シーン
1位 石化したトロルについてのくだり
2位 灰色港へ向かうエルフたち
3位 ロスロリアンにて、カラス=ガラゾンに入る前にタランの上で一夜を過ごす
4位 奥方さまの贈り物
5位 川を追ってくるゴクリ(丸太)