字幕版・吹き替え版について

 今回の実写劇場版版『ロード・オブ・ザ・リング』をご覧なった方のうち、字幕と吹き替えの両方を鑑賞した方は、
「字幕が良くない」、「吹き替えが良い」という意見をお持ちでしょう。

 字幕と吹き替えの両方をご覧になってない方も、吹き替えの評判が非常に悪く、
その一方で吹き替えを絶賛する声がほとんどであることをご存知の方は多いと思います。

 映画で語られている本来のセリフ、字幕の数多くの問題点、字幕と吹き替えの翻訳の具体的な差異、
これらについては、他所のサイトで詳しく扱っているところが多いので、そちらに譲ります。
本サイトでは、字幕・吹き替えの翻訳の差や、字幕の問題点を、
原作を未読の方や、吹き替えか字幕のどちらかしかご覧でない方に、問題点を分かり易く伝える方法を考えてみました。

1.「キン肉マン」に例えてみる

 まずは、かつて一世を風靡した「ゆでたまご」氏の漫画、『キン肉マン』に例えて見ましょう。
英語=原作の『キン肉マン』とすると、字幕と吹き替えは、次のようになっています。

字幕版:
 ○ミートが他の超人に対してタメグチ。
 ○ミートがキン肉マンを「スグル」と呼び捨て。
 ○ブロッケンJr.の名前が「ネオナチ君」になっている。
 
吹き替え版:
 ○ミートのセリフは原作通り。
 ○ブロッケンJr.はやっぱり「ネオナチ君」。

実際は、もっと重要な問題点がたくさんあるのですが、それはこれから、例えを考えていきます。


2.牛丼に例えてみる

原作=大盛りつゆだく&紅ショウガ&卵&味噌汁&おしんこ
吹き替え=ふつうの並
字幕=ライスのみ

 牛丼を知らない人が、「いま、牛丼ってのが流行ってるらしいな。」と牛丼を食べに行きました。
ところが、牛丼を食べに行って、出てきたのはライスのみ。
しかし、その人は牛丼がどんな食べ物かを知りません。
「へえ、コレがウワサの牛丼か! 美味いじゃん。」
知らぬが仏。
ライスだけを食べて、それが牛丼と思い、満足して帰っていきます。
 しかし、牛丼がどんな食べ物か知ってる人から見れば、
「牛丼じゃないじゃん!」
字幕版はそんな感じです。

 一方、吹き替え版では、ちゃんと牛丼が出てきます。
大盛りつゆだくではないけれど。

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