彗星パニック SFバカ本
岬兄悟・大原まり子編(廣済堂文庫)
お勧め度:★★★☆☆
毎度おなじみSFバカ本シリーズの最新版。前作よりもちょっとパワーが落ちている気が
する。少し小難しくなっているところがある。SFが昔のように盛り上がる為には、何よ
りエンターテイメント性が必要なのに。
(2000.01.30)
風塵抄 二
司馬遼太郎(中公文庫)
お勧め度:★★★★☆
司馬遼太郎の絶筆。特に死の4日前に書かれた最後の原稿は、既に死を悟っていた司馬遼
太郎が最後まで日本の行く末を案じていた事を示している。時に厳しく、時に優しく。司
馬遼太郎の言葉は綴られていく。しかしどんなに厳しい言葉であろうと、その言葉には優
しさが溢れている。それは彼が持つ人に対しての慈愛があらわれているのだろう。混迷を
極めるこの社会に今こそ必要な人物であった。
(2000.01.25)
新化
石黒達昌(ハルキ文庫)
お勧め度:★☆☆☆☆
幻の小動物について描かれたSFミステリィだそうだ。表紙の推薦文には大げさな事が書
かれているが、ただの凡作。何故、このような作品を出版するのかわからない。こんな本
を出すくらいなら、絶版になっている過去の名作を出版すべきではないのか?
(2000.01.20)
極大射程
スティーヴン・ハンター(新潮文庫)
お勧め度:★★★★★
前々から読むように薦められていた本である。上下巻で800ページ近くあるがあっとい
う間に読み終わる事ができた。「面白い」その一言がぴったりな作品である。巧みにシー
ンを織り交ぜてクライマックスまで飽きさせない。読み進めるうちにどんな結末になるか
想像がつくが、それでも面白いものは面白い。また翻訳も良い。
(2000.01.14)