「15号〜っっ !!!! 」

「1号! 2号! 3号! 4号! 5号! 6号! 7号! 8号! 9号! 10号! 11号! 12号! 13号! 14号!」


かくして、涙と友情の再会シーンである。
同タイプのメイドロボとは聞いていたが、全く同じ顔の超小型メイドロボが15人、テーブルの上で互いに肩を抱き合い、無事の再会を喜び合う様は、実に可愛らしく感動的だった。

15号は自分では何も言わなかったが、ねじれた足を引きずっている15号の痛々しい様子を見て、彼の仲間たちは15号の苦労をすぐに察したらしい。
1号から14号のメイドロボたちは順々に15号の身体を抱きしめて、瞳に涙をあふれさせ、心からの『ありがとう』を15号に伝えたのだった。

そうしてひとしきり、愛と感動の抱擁を済ませると、15号は、胸を張って、テーブルの横にいた氷河と瞬を仲間たちに紹介した。

「みんな、こちらが僕たちの命の恩人の氷河様と瞬様だよ。僕たち、これから命をかけてお二人のために尽くそうね!」

15号の言葉に、14人の仲間たちが固い決意をたぎらせた表情で、氷河と瞬にぺこりと頭を下げる。
瞬は、その様子を見て、慌ててメイドロボたちに微笑を向けた。
「そんな、命なんて懸けなくてもいいんだよ。これからみんなで楽しく暮らしていこうね」

15人の中で、いちばん固い決意をみなぎらせていたのは、しかし、瞬の優しさ(甘さとも言う)を誰よりも知っているはずの15号だった。
「いいえ! 瞬様と氷河様は僕たち全員の命を救ってくださったんです! それだけじゃなくて、僕たちに心があるって認めてくださったの! 僕……僕、それがとっても嬉しかったの……」

「15号ちゃん……」

この小さな身体で洗濯物に翻弄されつつ、15号はずっとそんなことを考えていたのだろうか。

自分の中には本当に心があるのか。
仲間たちを思い、悲しみを悲しみと感じ、喜びを喜びと感じる自分の中の“活動”は、本当に“心”の為せる業なのか――と?

人に作られたものであるが故の15号の苦悩に触れて、彼を作った側の人間と同じ立場の存在として、瞬は胸を突かれる思いがした。

そして、瞬は、氷河の言う通り、たとえ神でも、15号たちを好き勝手にする権利はないのだと思ったのである。

これほど可愛らしく、これほど必死に、これほど健気に生きている者たちを――と。





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