氷の国一行の帰国は明日に迫っていました。 もう時間を無駄に費やしている暇はありません。 氷の国の氷河は、かなりあせっていました。 小人たちは全然あせっていませんでした。 「チョコレート希望の人、整列〜♪」 「は〜い」× 15 「生クリームの人、集合〜♪」 「は〜い」× 15 「メープルシロップがいい人〜♪」 「は〜い」× 15 「仕上げに粉砂糖かける人〜♪」 「は〜い」× 15 小人たちは、氷の国の氷河の悲壮なまでの決意も知らず、たれたれさん宅のキッチンで、たれたれ瞬ちゃんと楽しいおやつタイムです。 「……全部かけちゃうの?」 「うん、ぜ〜んぶだよ」 「僕たち、生クリームもチョコレートも好きだもん」 「めーぷるしろっぷもお砂糖も、だ〜い好きだもん」 「だからぜ〜んぶ欲しいの。みんな欲しいの」 氷の国の氷河が聞いたら、悶絶して喜びそうなそのセリフは、残念ながら氷の国の氷河ではなく、たれたれ瞬ちゃんの前にあるふわふわパンケーキのためのセリフでした。 「うん。じゃあね、パンケーキを切ってお皿に分けておくから、好きなものつけて食べてね」 「は〜い♪」× 15 「シート敷くから汚してもいいよ。お風呂も用意するからね」 「わ〜い♪」× 15 良い子のお返事と元気なお返事をして、小人たちは、パンケーキと各種トッピング材料に突進突撃ダイブ。 そんな小人たちの様子を見て、たれたれ瞬ちゃんは、水溜りで遊ぶ子供を見守る親の気持ちがわかったりなんかして、すっかりほのぼのモードです。 一方、氷河たちはというと……。 |