さて、一安心した小人たちは、次なる謎の解明にとりかかったのです。

それは、『小人さんたち、よろしく』と書かれたメモと一緒にあった不思議な設計図の謎でした。
でも、それは、あんまり考えなくても、なんとなくわかったのです。
お話というものは、大抵は本になっているものです。
けれど、テーブルの上にあるのはただの紙の束。

にゃまけもにょさんは、この紙の束を本にする作業を『よろしく』と小人たちに頼んでいるに違いありません。
そして、設計図は、その手順を書いたもののようにも思えました。

何でも面白がる小人たちは、早速、その設計図通りに本を作ってみることにしたのです。


「まず、この紙の束から一枚ずつを取って、半分に折るんだね」
9号の指示に従って、小人たちは製本作業開始です。

「そっち側、押さえてて〜」
「りょうか〜い」
「行くよ〜」

8号と1号が紙の端と端を重ねて固定。
3号は、折り目をつける場所を、秘密兵器のクリップを手にしてモップがけのように、だ〜っ☆と駆け抜けました。


一冊分のページを全部折り終えたら、次はその紙を順番に重ねていきます。
「4の次は6を重ねるんだよ〜」
「わ〜ん、間違えちゃったぁ〜;;」
と幾度か失敗を重ねながら、ページ合わせ完了。


最後の大仕事は、ホチキス止めです。
「よいしょ、よいしょ」
と、1号〜7号がホチキスを紙の端にセッティング。
8号〜14号は、その横に本の階段を作ります。
最後に15号が、本の階段の上から飛び降りて、ホチキスをがっちゃん☆

けれど、15号はなかなか上手に狙ったところに飛び降りることができません。
ホチキスは、そのたびに変なところを閉じてしまったり、針がしっかり留まらなかったり。そのたびに、小人たちは、針を外すのに苦労しました。


こうして、奮闘の末、3時間もの時間をかけて、小人たちは、ついににゃまけもにょさんのコピー誌を1冊だけ完成させたのです。

「やったー!」
「うん、できたね!」

本を1冊作り上げることは、小人たちには大変な作業でした。
けれど、その成果を実際に見れば、小人たちの胸には満足感が満ちてきます。
そして、心地良い疲労感が。


小人たちはすっかり気持ちよく疲れ果て、その場ですーすー寝込んでしまいました。