「僕たちの本、読んでくれる人がいるかしら」 「ひとりでも読んでくれる人がいたら嬉しいね」 「なんだか、どきどきするね」 「うん、どきどきするね」 テーブルの上にちんまりと並べられたA12サイズの本の前に並んで、そんなことを話している小人たちを、瞬ちゃんズが笑いながら励ましてくれました。 「こんなに可愛い本だもの、きっとすぐに完売するよ」 「もっとたくさん作ってくればよかったのに」 「15冊しか持ってこなかったのに、よかったの? 僕たちにくれたりして」 初めての場所で新しいお友達に優しい言葉をかけてもらって、おまけにたれたれ瞬ちゃんお手製のおやつも貰うことができたのです。 小人たちは、それだけでもコミケに来た甲斐があったと思っていました。 けれど、小人たちのコミケはまだ始まったばかり。 それは、小人たちの『地球一の大手サークル伝説』の始まりの日でもありました。 |