人間というものは、絶えず何かを欲して生きているものです。 おいしいものを食べたい。 綺麗なお洋服を着たい。 素敵なお家に住みたい。 人に褒められたい。 誰かに愛されたい。 そして、誰かを愛したい。 人によって、欲しいものは様々でしょう。 何かを欲しがるということは、それを手に入れるために採る手段さえ間違えなければ、大抵は“いいこと”です。 そんなことはない。『人は無欲なのがいちばんだ』って、偉いお坊さんが言ってるじゃないか――なんて反論するのは大間違い。 “無欲”は、世の中でいちばんの貪欲です。 無欲になって、人間が手に入れられるものは何だと思いますか。 “欲しいものが手に入らない嘆きを忘れられること”です。 そう、“無欲”を良しとする人が欲しているのは、“自分を不幸だと思わずに済むこと”。 無欲であろうとする人が欲しているのは、“幸せ”なんです。 |