氷の国の氷河・父親化防止計画

〜氷河失格〜









人間というものは、絶えず何かを欲して生きているものです。

おいしいものを食べたい。
綺麗なお洋服を着たい。
素敵なお家に住みたい。
人に褒められたい。
誰かに愛されたい。
そして、誰かを愛したい。

人によって、欲しいものは様々でしょう。
何かを欲しがるということは、それを手に入れるために採る手段さえ間違えなければ、大抵は“いいこと”です。

そんなことはない。『人は無欲なのがいちばんだ』って、偉いお坊さんが言ってるじゃないか――なんて反論するのは大間違い。
“無欲”は、世の中でいちばんの貪欲です。


無欲になって、人間が手に入れられるものは何だと思いますか。
“欲しいものが手に入らない嘆きを忘れられること”です。

そう、“無欲”を良しとする人が欲しているのは、“自分を不幸だと思わずに済むこと”。
無欲であろうとする人が欲しているのは、“幸せ”なんです。