それからのことです。
聖域の教皇代理が、すこ〜しずつ笑うようになっていったのは。

肩から力を抜いて笑いながら暮らしていると、大変だと思っていたお仕事も楽しいものになりました。
地上の平和のために力を尽くせるなんて、ちょっと考え方を変えてみたら、それは本当に素敵なお仕事だったのです。


素敵なお仕事をしていると楽しくなります。
楽しいので笑います。
笑いながらお仕事をしていると、やっぱりお仕事は楽しいのです。


きっと。
小人たちもそんなふうだったんだろうなぁ……と、ニコルは思いました。

疲れているニコルを明るい気持ちにしてあげられたらどんなに素敵だろうと、小人たちは思っていたに違いありません。
そして、素敵なお仕事をしていると、人は笑いたくなるものなのです。

小人たちの笑顔はそういう笑顔だったに違いないと、だから小人たちはあんなに楽しそうだったのだろうと、今になってわかる自分が、ニコルはちょっと悲しくもありました。






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