atenasaori_ojyo 公開裁判




氷の国の運命を決める公判の日は、実にあっさりとやってきました。

氷の国の氷河は、最初は、氷の国の氷瞬城のお台所を裁判所の代わりにするつもりだったのですが、なにしろ、これは世紀の一大事。
世界のアイドル小人さんたちの危機とあって、世界各国からテレビカメラが入り、新聞記者に雑誌記者、ネットサーファーにオタクさん、数十万人の小人さんフリークに、小人さんたちを心配した森の動物さんたち、9号とねんごろのリスさんや鳥さんたちも集まって、とても全員は氷瞬城のお台所にはおさまりそうにありません。

そこで、『小人さんたち鍵盤身売り・atenasaori_ojyoの陰謀裁判』は急遽、小人さん商店街前の広場で行われることになったのでした。


たれたれ氷河さんの紹介で、サンクチュアリ弁護士会からは、氷の国の氷河と小人たちのために、アクエリアスのカミュ弁護士が登板です。

裁判のためとはいえ、愛する小人たちに会うとあって、atenasaori_ojyoのおめかしは一段と派手になり、今日は頭やドレスだけでなく、背中にもダチョウの羽を山のように背負っていました。


「あれが、噂のatenasaori_ojyoか……。氷の国の氷河でなくても、あきれて口がきけなくなるような格好だな」
「まるで、羽に埋もれてるみたいだね」
宝塚のトップスターのレビュー顔負けのatenasaori_ojyoの出で立ちに、たれたれ氷河さんとたれたれ瞬ちゃんも呆れ顔です。


「たれたれ瞬ちゃん、僕たち、大丈夫かしら」
「僕たち、僕たちの氷河と離れ離れになったら、生きていけないよ…!」
「あの恐いおねーさんは、きっとぱんつ縫えないもん」
「ぱんつ穿かないでいたら、おなか冷やしちゃうもん」
「タンも父さんも、僕たちいらないもん」
「僕たちは、僕たちの氷河のぱんつと、たれたれ瞬ちゃんのケーキで生きてるんだもんー !! 」

「大丈夫だよ。世界中が小人さんたちの味方なんだから。さあ、公判の前におやつ食べて元気だして」
つぶらな瞳で不安を訴える小人たちの前に、たれたれ瞬ちゃんは、氷瞬城型特性アイスクリームケーキを置きました。
途端に、小人たちの瞳がきらきらと輝きます。

「わーい、僕たちのお城のケーキだー !! 」
「やーん、食べるのもったいないー!」
「でも食べるー !! 」
「僕もー」
「僕だってー !!」

「ぱくぱくぱくぱく、むしゃむしゃむしゃむしゃ、はぐはぐはぐはぐ、あむあむあむあむ」× 15


氷の国の未来を決める世紀の裁判の前の腹ごしらえ。
小人たちは、たれたれ瞬ちゃんのおかげで、至福の時を過ごすことがでました。

ちょっと呑気ですね。