一方、メイン会場では。

「予定よりおしてるね……。このペースだと、2問目終了はおやつの時間になるかな」
「もぐもぐ。終わる頃には夜になっちゃうね……もぐ」
「むしゃむしゃ。朝になっても終わってなかったりして……むしゃ」
「ぱくぱく。それはまずいんじゃないの? ……ぱく」
「はむはむ。ど〜してまずいの? 会場借りるの延長できないの? ……はむ」
「むぐむぐ。資金的には延長しても大丈夫なんだけどね。……むぐ。ニーズもあると思うんだけど、次の予定イベントがコミケなんだよ……むぐむぐ」
「もりもり。コミケ !? そっか〜……もり」
「もぎゅもぎゅ。あ〜、じゃあ、無理言って順延してもらう訳にはいかないね〜……もぎゅ」
「しゃりしゃり。でも今回はこのままコミケに参加できるから旅行代が浮いたね♪ ……しゃり」
「ぺろぺろ。誰か新刊持ってきたの? ……ぺろ」
「むぎゅむぎゅ。持ってきてないよね? ……むぎゅ」
「はぐはぐ。持ってきてないでしょ〜……はぐ」
「あとで氷河にとって来てもらえばいいよ。……ごっくん。ごちそうさまでした!」
「そうだね〜。ごちそうさまでしたー」× 14

小人たちが、小人さん商店街出店部隊のクレープ店やカフェの商品チェックという建前で、おやつをぱくつきながら、作戦会議を開いておりました。


「とにかく、3問目で残った人数を、せめて10人単位に減らさなくっちゃ」
「じゃあ、よっぽど難しい問題出さなくちゃね」
「フリークは、さすがフリークというだけあって、なかなか手ごわいからね。ちょっと見当がつかなくて、調べようがない問題にしないと」
「う〜ん、むずかしいねー」



あんまり深刻に悩んでいるようには見えませんでしたが、それでもとりあえず真剣に悩んでいた小人たちの前に、頼もしい応援団が到着しました。
やっぱり、小人たちは運命に愛されているようですね。

「みんなどうしたの?」
「サイン会はうまくいってるのか?」

応援団は、おやつ・企画性両方で頼りになる、たれたれ瞬ちゃんとたれたれ氷河さんだったのです。


「あっ、たれたれ瞬ちゃん」
「はい、差し入れだよ」
「ありがとう〜」× 15

「はい、氷の国の氷河さん、これカリン水です。喉にいいので飲んでください」
「あ゛り゛が゛と゛う゛〜」
がまがえるにも似た変声期ピークの声でお礼を言う氷の国の氷河の横で、小人たちは、たれたれ瞬ちゃんからの差し入れに狂喜乱舞!


「シュバルツバルター・トルテだぁ」
「きゃ〜〜v」
「ガトーマドモアゼル〜〜」
「わぉ〜〜!」
「ムース・オ・フランボワーズ」
「ぶらぼ〜〜♪」
「サバラン〜」
「うにゃ〜〜☆」
「コンテッサトルテ〜〜」

「ふみゃ〜〜vv」× 15


小人たちが、たれたれ瞬ちゃんの差し入れを見て、感激のあまりふにゃふにゃになっている間、9号はたれたれ瞬ちゃんとたれたれ氷河さんにサイン会の進行遅れについて説明をしていました。
たれたれ氷河さんなら、いいアイデアを思いつくんじゃないかと、9号は期待していたのです。

「究極の第3問目か……」
「誰も予測がつかないような問題はないかしら」

「それなら、究極の選択というのはどうだ?」
「究極の選択ってなぁに? 氷河」
「お前の差し入れで、小人たちが究極の選択をすればいい」


たれたれ氷河さんは、何やらいい考えを思いついた様子です。
ここいらへん、たれたれ氷河さんは、まるで頼りにならない氷の国の氷河とは、氷河のレベル(?)が違いました。


いよいよ、運命のおやつたいむが迫りくる。
ふと見れば小人たちは、『たれたれ瞬ちゃん、差し入れありがとう』のダンスを踊っているのでした……。