大きな栗の木の下で




季節は秋になっていました。

秋の味覚と言えば、何といっても栗ですよね。


氷の国の小人たちは、今日は朝からずっと、大きな栗の木の下で作戦会議を開いていました。

「栗といえば──」
「マロングラッセ」
「マロンカスタードパイ」
「マロンタルト」
「モ・ン・ブ・ラ・ン〜♪」
「わーい !!!! 」

会議は盛り上がっていました。
最初のうちは、とっても。


「……でも、困ったね」
「そうだねぇ……」

栗は、今までのさくらんぼやプラムやりんごと違って、とっても恐ろしいイガイガ標準装備なのです。
もしこんなのが当たったら、小人たちは一瞬でおだぶつです。
栗は欲しいが命も惜しい。


小人たちは途方に暮れていました。