ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q6 あなたが一番好きな歴史上の人物は?



「歴史上の人物って、どういうのをいうの?」
「昔の人のことだと思っていいよ」

「あ、じゃあ、桃太郎!」
「浦島太郎!」
「龍の子太郎!」
「金太郎!」
「一寸法師!」
「わらしべ長者!」
「かぐや姫!」
「鉢かづき姫!」
「瓜子姫!」

「うーん、金太郎は実在した人だけど、あとは歴史上の人物じゃないなぁ……。日本の人じゃなくてもいいんだよ」

「白雪姫!」
「シンデレラ姫!」
「いばら姫!」
「人魚姫!」
「親指トム」
「豆の木にのぼったジャック!」
「ぐりとぐら!」
「ヘンゼルとグレーテル!」

「それじゃあ、別の質問の答えになっちゃうよ。フィクションで好きな人物とか」

「だって〜。氷の国には、歴史上の人物なんかいないんだもん」
「氷の国を作ったのは、氷河と僕たちだもんね」
「そんな昔の人なんていないもんね」

「あ、でも、氷の森の奥にある、白鳥の水たまり池にいるカメさんが、もう1万年くらい生きてるって言ってたよ!」
「えええええっ、スゴいー!!」
「ほんと、すごいね!」

「よし、じゃあ、僕たちの好きな歴史上の人物は、白鳥の水たまり池にいるカメさんにしよう!」
「賛成ー!!」× 15


(小人さんたちの好きな歴史上の好きな人物はカメさんかい……。カメさんは“人物”ちゃうと思うけどなぁ……。これじゃ、氷の国の氷河の答えも、あんまり期待でけへんなぁ……。小学校にも行ってないてゆーとったし)


「俺の好きなのは、クララ・ヴェーヴァさんかな〜(うっとり)」

「(ぴくっ★)……誰、それ」
「女の人の名前だ……(ひそひそ)」
「しかも、氷河、うっとりしてる……(むかっ)」
「そんなっ、僕たちの氷河が女の人に興味を示すなんてっ!(←大ショック)」

「氷河っ、それ、どこの女の人なのっっ!?」× 15

「なんとっ! おまえたち、クララ・ヴェーヴァさんを知らないのかっ!?」
「知らない……。何した人?(←すごーく不機嫌)」

クララ・ヴェーヴァさんはな、1890年に、デンマークで、エヴァ・ローゼンスタンド刺繍会社を設立したえらーい人だ。こんなのとか、こんなのとか、これなんかも、みんな、エヴァ・ローゼンスタンド刺繍会社の意匠を使った刺繍なんだぞ。もちろん、俺は、エヴァ・ローゼンスタンド刺繍会社の刺繍キットを買う金なんかないから、自分でデザインしてるんだが、その時に参考になるんだな〜、これが」


「そういう勉強なら熱心なのか……。大検の勉強もしてよね、氷河」
「……氷河の刺繍の方がうまいよね」
「氷河のデザインの方が可愛いよ」
「だって、僕たちがモデルだし〜」
「僕たちのぱんつだから、氷河、丁寧に刺繍してくれるしね」

「てことは、僕たちの氷河は、クララ・ベロベロさんとかいう人より偉いんだ!」
「そういうことだよね!」
「さすがは、僕たちの氷河だね!」
「氷河ったら、かっこい〜vv」
「氷河、素敵〜vv」

「え……? そ……そうか?(←滅多に褒められることがないので、とても嬉しい)」
「うんうん」× 15
「そうか〜……(ぽわわわ〜ん)」

「だから、もう、クララ・ベロベロさんのことなんか考えちゃ駄目だよ! 氷河の方がずっと才能あるんだから!」
「は…はい〜vv」

「なら、よろしい」× 15


(……好きな歴史上の人物も思う通りにでけんとは、氷の国の氷河も哀れやなぁ……。本人、幸せそうなだけに、いっそう哀れや……。この分だと、Q7はもっと哀れなことになるでぇ。んでも、そういう勉強だけは熱心なのやったら、どこぞの大学の家政科に入ったらどーやろ?)


「家政科なんて、女の人ばっかりだから駄目っ!! 氷河には、法学部か医学部に入ってもらわなくっちゃ!」
「9号、誰に向かって怒鳴ってるの?」
「え……? 今、誰か、僕たちに話しかけてきたみたいだったけど……」
「9号、しっかりしてよー! 僕たち、これから、応援ダンスの練習、頑張らなきゃならないのに!」
「う……うん……」


(ひえ〜っっ;; 霊感があるのは13号ちゃんやなかったんかい)


……と、アセるプルーストさんですが、さて、第7問の展開はいかに。