ピンク | : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色
| : 9号ちゃん
| 青
| : 氷の国の氷河
| 紫
| : プルーストさん 心の声
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Q9 一番好きな画家は? |
「なんてったって、今僕たちが夢中になっているこの『お菓子な本』の挿絵画家さんだよね」 「ああ……このイチゴショートの美味しそうなこと」 「生クリームの表現が絶妙だよね」 「スポンジの柔らかさを、ここまで表現できる人は他にいないよね」 「こっちのガトーショコラなんて甘い匂いがしてきそうだよ」 「絶品だねぇ(うっとり)」 「うん、そっちのアップルパイのつやつやもね」 「素晴らしいねぇ(うっとり)」 「芸術だよね(うっとり)」 「ところで、氷河の好きな画家ってだ〜れ?」 「マナブさん……」 「まなぶさん?」 「摩訶不思議人外魔境の元素記号分子構造ピタゴラスの定理。三角関数定数台数直角三角形分数小数乗算加算のかけひき上手〜。どんな難解な問題もやさしく図解してくれる、まさにマナブさんは魔法の筆の持ち主なんだ〜。わはははははははは」 ↑ どうやら通信教育テキストの解説図作成者らしい。 「ああっ、氷河がおかしいよ?!」 「あはははは〜、こりゃおかしいね」 「おやじギャグってる場合じゃないよ」 「どうしちゃったの、氷河〜」 「多分、受験ノイローゼなんじゃないかな」 「氷河、病気なの?」 「わ〜ん、しっかりして、氷河〜!」 「あらららん。どうしちゃったの? 小人さんたち」 「あっ、サンクチュアリ保険のおねーさん!」 「わぁ〜ん。おねえさん〜、ノイローゼで保険は使えますか?」 「もちろん大丈夫。お任せくださいな。あららん、あの方お勉強のし過ぎでちょっとお疲れみたいね。は〜い、キャンディどうぞ♪ 疲れたときには、甘いものが一番ですわ♪」 「あ……ま……くさしろうはクリスチャンあめのうずめのみことはあまてらすのかくれたあまのいわやどのまえでおどりくるう〜〜。はははははは」 「あああ、氷河が踊りだしたよ」 「うーん。リズム感がいまいちだね」 「詰め込み教育の弊害が出たんだね」 「保険金請求の折にはお医者様の診断書とって下さいね。だけど、こうなる前に契約しててよかったわね、小人さんたちラッキー♪」 「どうしてラッキーなの?」 「病気になってからだと、保険に加入できない、もしくは、保険料がばか高くなるからだよ」 「そっか〜。僕たちってラッキーだったんだね」 「それじゃあ、ワタクシ、これで失礼致します♪ あ、これ、皆さんで召し上がってくださいね」 「わ〜い、ありがとう、おねえさん」 「わぁ! モックモックのクッキーだー! 僕、これだいすき」 「あ……。氷河、倒れちゃってるよ」 「応急処置で糖分補充しておけば大丈夫だよ。このモックモックのチョコバーひとつ、氷河の口に突っ込んどいて」 「もごもご……目算暗算鼠算……」 (あれま、小人さんたち目先のお菓子に感心がいってしもて……。さっきの究極の選択の方は、先送りやな……。そやけど、氷の国の氷河はん見てたら、答えはもう出てるも同然やけどな) |