ピンク : 氷の国の小人たち 1〜8号・10〜15号ちゃん
オレンジ色 : 9号ちゃん
: 氷の国の氷河
: プルーストさん 心の声



Q15 どんな人間になりたかったですか?



「なりたかったっていうより、なりたいっていうのならあるよ」

「僕はね〜、東におなかが痛い人がいたら、行って看病してあげて、その人が食べられない分のご飯を食べてあげるの」
「腐ったらたいへんだもんね」
「食べ物は大切にしなくちゃ」  

「西にシュラバで疲れた人がいれば、行って白い原稿用紙の束を背負って、応援ダンスをしてあげるの」
「その人が眠りそうになったら、起こしてあげることもできるしね」
「無事入稿が済んだら打ち上げに行って、(ジュースを)飲めや食べろの大騒ぎするんだー」

「南にどぶにはまって困っている人がいたら、自分が汚れるのも構わずに進んで助けてあげられるような人になりたいの」
「助けてあげた人がたまたまケーキ屋さんのオーナーだったりして、お礼にたくさんケーキを食べさせてくれたりするといいなぁ」

「北に金勘定でもつれた人間関係があれば、行って そんな非生産的なことより儲けることを考えるのが先決だって諭してあげるの」
「儲けたお金でなにかご馳走してくれるかもしれないね」
「デザートのフルコースとかいいねぇ」
「オードブルはエクレアの生クリーム掛けから始まって」
「チョコレートスープ」
「ポアソンにたい焼き」
「メインは厚さ30センチのデコレーションケーキに、付け合せはクレープ皮の砂糖付けで」
「デザートはもちろんアイスクリーム」
「それから、新鮮なフルーツ山盛りが出てきて」
「ラストは、ホイップクリームたっぷりのココアで締めくくり」

「そういうものに僕たちはなりたいねぇ」


(情けは人の為ならず ちゅう言葉があったなぁ……)


「…く、空腹にも負けず、眠気にも負けず、赤点にも内職の厳しい納期にも負けぬ丈夫な体をもち、欲はなく、決してくじけず、いつも……しずかに……暮らしたい……(ぱたり…)」


(あかん。師走に入ったばっかりやのに、なんか諸行無常の鐘の音が聞こえてくるような気がしてきた)


小人さんたちに、東西南北の困った人より、 目前の困った人をなんとかしてあげて欲しい歳末助け合い。
第15問目はこれにて終了〜。