「おいおい、おシゲちゃん、隣りに越してきた、ありゃあ、何モンだい?」

その日の夕方、クマさんは珍しく家の外に出てみました。
ちょうど井戸に水を汲みにきていたおシゲちゃんをつかまえて、新しい隣人たちのことで井戸端会議開始です。

「小人さんたちね。はきはきしてて、可愛いわよねー。氷河さんは、男前だけどぬぼ〜っとしてて……でも、悪い人じゃなさそうよ」
「確かに、可愛いけどよぁ。なんで、あんなにちっこいんだ?」
「小人だからでしょ」
「ちっこいから、小人なんだろ。俺が知りたいのは、小人がちっこい訳だよ」

「可愛いんだから、いいじゃない」
「そりゃそうだが……」



「いーち、にーい、さーん、しーい」
「けんけんぱ! けんけんぱ!」

小人たちは、早速、自分たちの遊び場を見つけたらしく、長屋の前の路地で、楽しそうな声を響かせて、縄跳びや石蹴りをして遊んでいます。
中には、夕陽を眺めて、瞑想にふけっている子もいました。








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