そして──。
草木も眠る丑三つ時、花のお江戸の湯屋の番台前に姿を現した小人はひとりもいませんでした……。

「お……お前たち、いったいどこにいるんだ〜っ !? ちょいとやくざな遠山桜は忘れちゃいないぜ〜それに桃太郎侍と暴れん坊吉宗は同一人物でご老公と珍道中〜」
この衝撃の事実の前に、銭形氷河は、そろそろアタマがおかしくなりかけているようです。

銭形氷河は、何をするにも小人第一、自分のことは二の次、三の次、四の次、五の次、六の次、七の次、八の次、九の次、十の次、十一の次、十二の次、十三の次、十四の次、十五の次。
小人たちを失った銭形氷河は、十五の次に、自分が何をすればいいのかなんて思いつきもしなかったのでした。







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