「俺じゃなくても、ちゃんと聴く人には通じるんだ。おまえのその優しい心は」
割れんばかりの拍手が客席から聞こえてくる。
「俺がおまえを独り占めするのは罪だろう。おまえも、俺ひとりを幸福にするよりは、より多くの人を幸せにしてやった方がいい。おまえにはその力があるんだから」
微笑む氷河の優しい励ましが、瞬には残酷な“拒絶”の言葉に聞こえた。
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