ともあれ、そういう訳で、瞬は、サガたちが用意してくれた部屋に移動せざるを得なくなった。
瞬としてはサガの親切はありがた迷惑だったのだが、瞬がどこか個室に閉じこもらないことには、いつまで経っても氷河の部屋から野次馬聖闘士たちが立ち去ってくれそうになかったのである。

不満顔の瞬は、それでも、
「夜になったら、おまえの部屋に行く」
という氷河の耳打ちに説得されて、宿舎の最上階・プレジデンシャルスイートルームに入ったのだった。


しかし、その夜、氷河が瞬のために設えられた部屋に赴くと、瞬の部屋に続く長い廊下には、抜け駆けを企んだ聖闘士たちが相打ちして果てたらしい屍の山が築かれており、氷河は瞬の部屋のドアに辿り着くことすらできなかったのである。






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