凍りついた世界を一渡り見回すと、瞬は再び平生のにこやかな表情に戻った。

「じゃ、星矢、紫龍。後はよろしく。この人たちが怠けないように監視しててね」

「おまえはどこ行くんだよ?」
「当初の予定通り、僕のバルケッタちゃんに氷河を乗せて、ギリシャをドライブv そのために、わざわざこんなとこまで来たんだもん、僕」

「あー、さよーでございますか」
星矢は、瞬の返答に、どうにも無気力に頷いた。




そして、数刻後。

瞬は、その言葉通りに、全身傷だらけの氷河を愛しのバルケッタの助手席に乗せ、砂埃と
「じゃあね〜v」
という別れの言葉を残して、颯爽と聖域を去っていってしまったのだった。






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