あまりに唐突な金ダライの出現に驚いて、氷河王子と瞬は、イオ王子が現われても解かなかった常時接続を一時切断することにしました。 床で、くわんくわんくわん☆ と快い(?)余韻を響かせている金ダライの向こうに、二人の魔神の姿がありました。 「まあ、元はと言えば、私たちのせいだし」 と、魔女神ヒルダ。 「ここで、イオ王子に瞬をどうこうされてしまっては、氷瞬話ではなく、瞬受け話になってしまうしな」 と、魔神ハーデス。 なんという心温まるお話でしょう。 魔女神ヒルダと魔神ハーデスは、実はずっと氷河王子と瞬を(面白がって)見守っていてくれたのです! 「北の国まで、私たちが連れていってあげるわ」 あっけにとられている氷河王子と瞬を魔法の絨毯に乗せると、魔女神ヒルダはにこやかに言いました。 「その前に服を着ろ。北の国は寒いぞ」 と、ハーデスが暖かい服を魔法で出してくれました。 魔女神と魔神は、こうなった事情を氷河王子と瞬にわざわざ説明したりなどしませんでした。 自分たちは全てを心得ているからです。 氷河王子と瞬も、そうなった理由を尋ねたりはしませんでした。 恋する二人には、過去の事情や経緯などより“今”と“未来”の方がずっとずっと大切なことだったのです。 |