「瞬ー! ネズミ花火、火ぃつけるぞー!」
やっと姿を現した仲間たちを待ちきれない様子で、星矢が夏の夜に大声を響かせる。
城戸邸の夜の庭には、星と一緒に歌い出したくなるような、踊り出したくなるような、そんな星空が広がっていた。
自分が孤独に輝く星ではないと信じられる、すぐ隣りに、共に精一杯輝こうとしている星が在ると感じられる幸福。
星の数ほどにも、世界には幸せが満ちているのだと信じられる、そんな夜。
きらめく星のように、瞬の胸も弾んでいた。
『 しあわせのうた さあ、歌いましょう 』
Fin.
【back】