打ち明けずとも、あの男はおまえを手放しはしないだろう。

愛されることに飢えていた男が、愛する対象を得て、愛することを知り、孤独を忘れることができたのだ。
そんな相手を、あの男が手放すはずがない。

自分の思いを伝えられないというのなら、それでも構うまい。
それで、おまえの誇りが保てるというのなら。

だが、案外、あの男は気付いているのではないか。
おまえの瞳は嘘をつけない。


1262.8.6   エッツェリーノ・ダ・ロマーノ






【dopo】