「あ…あ……っ !! 」 悲鳴をあげることさえできずにいた瞬が、その唇からやっと声を漏らし始めたのは、瞬がその内に氷河を受けとめてから4、5分以上の時間が経ってからのことだった。 氷河はかなり深いところにまで、瞬の中に侵入していた。 「痛いか」 「あ……」 「我慢してくれ」 そう言いながら、氷河は、今頃になってやっと瞬のシャツに手を伸ばしてきた。 乱暴にではなく、焦らすようにゆっくり、ボタンを1つずつ外し始める。 すべてを外し終えてから、氷河はさらけだされた瞬の胸に噛みつくように唇を押し当てた。 そのキスと同時に、瞬の内奥を突き上げる。 「ああ……っ !! 」 瞬の細い眉が苦痛に歪み、その声もまた苦痛だけでできていた。 瞬を傷付け苦しめているのだと思うと、氷河は自分もまた痛みと苦しさに襲われた。 何故こんなことをせずにいられないのか、人間をそんなものとして創った神を憎みさえした。 瞬が、その、本来は味あわなくていいはずの痛みを必死に耐えている。 そう思うほどに、氷河は瞬が愛しいものに感じられ、愛しいが故に更に深いところに至りたいという思いが募り、だから、氷河は瞬を繰り返し貫き続けた。 もっと奥に、もっと瞬の深いところに行って、氷河は、瞬の身体の中にある全てのものに『これは俺のものだ』という刻印を刻みつけたかった。 氷河に突きあげられるたび、そのたびにあがる瞬の喘ぎにも似た悲鳴が、氷河の胸を傷付けもしたのであるが。 |