飛び立つジェットヘリの放つ光が、素朴な島民たちにどんな思いを抱かせたのか、氷河にも瞬にもわからない。
二人の世話をしてくれたあの少女が、呆けるようにして、飛び立つジェットヘリを見あげているのが窓に映る。
ともかく、そんなふうに慌しく、氷河と瞬は絶海の南の島を後にした。
欠けていた月は、既に元の満月に戻っていた。
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