今日の国語の時間は、『“ツルのおんがえし”を読もう』です。 ロシアのお友達は、漢字をあまりよく知らなくて、読んだり書いたりするのが苦手でした。 『 むかしむかし、まずしくて一人ですんでいる若い男がいました。 冬になり、雪がたくさんふっていました。 ある日、ふかい雪の中を家に帰るとちゅう、へんな音が聞こえました。 そのうめき声のような音がどこから来たのかをさがしに、むこうの畑に行ってみました。若い男は、鳴いているツルを一羽見つけました。 そのツルは、羽に矢をうけて、鳴いていました。 苦しんでいるツルをたすけようとして、男は矢を抜いてやりました 』 をロシアのお友達が読むと、 「 むかしむかし、まずしくてですんでいるいがいました。 になり、がたくさんふっていました。 ある、ふかいのをにるとちゅう、へんながこえました。 そのうめきのようながどこからたのかをさがしに、むこうのにってみました。 いは、いているツルをつけました。 そのツルは、にをうけて、いていました。 しんでいるツルをたすけようとして、はをぬいてやりました 」 となります。 瞬ちゃんは、若い男が、どうして死んでいるツルの歯を抜くのか、どうしてもわかりませんでした。 「ねえ、氷河。どうして、若い男の人は死んだツルの歯を抜いたりしたの?」 「…………」 物語の中の登場人物とはいえ、瞬ちゃんが自分以外の男のことを気にかけるのが、ロシアのお友達はとても嫌でした。 けれど、ロシアのお友達にはロシアのお友達なりの男の美学がありましたから、ここで駄々をこねたりはしません。 ロシアのお友達は、瞬ちゃんの前でカッコ悪いことはしないのです。 「歯の治療の跡を確認すると、ツルの身元がわかるんだ。若い男は刑事だったのかもしれない」 「へえ〜。氷河って、難しいこと知ってるんだね。すごいなー」 瞬ちゃんに感心されて、ロシアのお友達はとてもいい気分でした。 |