非情! 廊下を走るな、師弟対決








新学期が始まりました。

厳しくてクールなので有名なカミュ先生が担任になったことを知らないロシアのお友達は、新学期の始業式の日も、当たり前のことのように、朝から瞬ちゃんのクラスにいました。
ロシアのお友達は、2学期も、瞬ちゃんとのバラ色の日々が続くことを信じて疑っていなかったのです。


ですが、今日は勝手が違いました。

始業式を終えたあと、講堂の出口のところに、絶対零度の気迫を持ったカミュ先生が待ち構えていて、ロシアのお友達の首根っこを捕まえると、有無を言わさず、3年1組の教室に連れて行ってしまったのです。

予想もしていなかったカミュ先生の奇襲に1本取られてしまったロシアのお友達。
厳しくてクールなカミュ先生は、なかなか手ごわい相手のようでした。



瞬ちゃんや瞬ちゃんのクラスのお友達は、あれよあれよと言う間のこの出来事に大びっくり。
あのロシアのお友達が、抵抗する間も与えられないまま、小学校の教師ごときに連れ去られてしまうなんて、実際に自分の目で見たにしても信じられない事実です。


「氷河……」

これまでずっと、どんな時にもしっかり握りあっていた二人の手と手。
2学期になっても、3年生になっても(ロシアのお友達は既に3年生でしたが)決して離れることはないと信じていた手が、今、心ない大人によって引き離されてしまったのです。
瞬ちゃんは泣きそうな顔で、厳しくてクールなカミュ先生の背中を見詰めていました。


それは、でも、まだまだ嵐の前の静かなひと時。
花壇のひまわりも、のほのほと夏の日差しを受けて、お昼寝気分です。


平和なちゅうりっぷ小学校に動乱の時来たる !?

衝撃と混乱の新学期が始まりました!






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