校長先生は、ロシアのお友達と瞬ちゃんの愛の行方を決める運命の決断を、やっぱり穏やかで落ち着いた口調で告げました。

「ロシアのお友達は、3年1組の教室に戻らなくてもよろしい」


広い体育館に、大きな歓声と大きなどよめきが同時に湧き起こります。


マーマは勝利の雄叫びをあげました!
ロシアのお友達と瞬ちゃんは、しっかりと手をつなぎ合いました。
カミュ先生は、思いっきり不満顔です。


「その代わり」
校長先生は、ロシアのお友達を手招きして自分の側に呼んで言いました。

「瞬くんの名前をしっかり書けるのは偉いが、3年生にもなって、自分の名前を漢字で書けないのは困ったね」

「…………」
瞬ちゃんの名前が書けるんだからいいのにと思いつつ、ここで口答えは得策ではないと思って、ロシアのお友達は無言です。

「だから、氷河くんは、明日から1年1組のミロ先生のところで、基礎から勉強をやり直しなさい」

「…………」
ロシアのお友達は、何を言われたのかすぐには理解できずに、その場に突っ立っていました。

「…………」
マーマも、最愛の一人息子に同上です。






【next】