魔の山には、いつのまにか朝が訪れていた。
洞窟の外では、うっすらと積もった雪が、朝の光を受けて早くも溶け始めている。


「じゃあ、行きましょうか、ヒョウガ。憎しみだの負い目だの、余計なものはこの山に捨てて、生きていくのに必要なものだけ持って、僕たちの国を探しに」


ワラキア公国のあった方角から昇った太陽が、これからシュンたちの向かう道を照らしていた。






Fin.







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