『あの銀の河の向こうのどこかには、闘いのない国があるのかな』 そんな夢のような言葉を仲間たちに残し、僕はひとりで宇宙そらに漕ぎ出した。 闘いに疲れた僕のために、闘いの女神が用意してくれた船に乗って。 争いのない星を求めて。 闘いのない国を探して。 『闘い続けることに疲れたの』 降る星々の中で、共に闘ってきた仲間たちにそう告げて、僕は故郷の白い星を後にした。 悲しそうに、寂しそうに、だけど、それが僕のためなのだと信じて、二度と会えない別れを僕のために耐えてくれた仲間たち。 僕の心は弱すぎて、人と争うたび、闘うたびに傷付くばかりだから。
仲間たちの悲痛な眼差しに、僕は小さく頷いた。
みんなはそう言って、星の海に僕を送り出してくれた。 ……あの時、氷河は知っていたのだろうか。 僕が故郷の星を後にした、本当の訳を。 |