「氷河の先生って、フランスの人なんでしょう。僕、今度は、そっちを回ってきます」

「ヒルダさんのところにいる可能性はないかな。あっちは氷河には過ごしやすい気候だろうし」

「ミロさんって、氷河の先生のお友だちでしたよね」



蜘蛛の糸よりも細い繋がりを辿り、ほとんど無に近い希望にすがって、瞬は、氷河を捜し続ける。

そして、そのたびに、瞬は落胆し疲れきって帰ってきた。
――1人で。


今では、城戸邸で瞬の帰りを待つのは一輝の方であり、兄や仲間の許に帰ってきても、瞬はまたすぐにどこかに姿を消してしまう。

以前とは全く逆の状態が常態になり、やがて、沙織も星矢たちも、そんな瞬を引き止めることを諦めてしまったのだった。






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