まさに、骨の髄までとろけるような一夜が過ぎ、魔法の力にも勝っていた欲望の嵐が静まると、氷河王子は元の氷河ガエルに戻っていました。

瞬王子の寝室に朝の光が射し込み始めた時、瞬王子のベッドの上にいたのは、あられもない格好にさせられた瞬王子と、一匹のカエルだけ。

「あ……僕、いったい……?」

いったい、自分の身に何が起こったのか、瞬王子にはあまりよく理解できていませんでした。
瞬王子にできたのは、ともかく侍従が朝の挨拶に来る前に、ベッドの下に落ちていた夜着を拾い、身に着けることだけ。


氷河ガエルは、戸惑い恥ずかしがってはいるようでしたが、決して不快感を示してはいない瞬王子の頬の赤みを見て、勝利のガッツポーズをしたのでした。






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