「ふぅ。やっと、場所と日にちが決まったね」

それだけのことを決めるのに、第一回聖域文化祭準備委員会は優に10日もの時間を費やした。
しかし、それでもめげずに、第一回聖域文化祭準備委員会の議事は進行するのである。


「次は……」
「参加者を募ること……かな」

「ほんとは全員に参加してもらいたいんだけど……。どういうふうにする? 個別に声をかけていこうか?」
「声をかけにくい聖闘士もいるぞ。カニとか」
「ムウなんか、誰かが誘っているだろうと思って、誰も声をかけなかったりしてな。そういう手落ちはマズかろう」

「うむ。ここはいちばん神経を遣うところだ。誘い洩れを出すのはまずい。『眠りの森の美女』の魔女のように、呪いをかけられることになるやもしれん」
「それで、瞬が100年、俺のベッドで寝ててくれるのなら、俺はむしろ有難いが」
「カニのベッドだったらどーする」


「公平に、全員に告知すべきだろうな」
一瞬の絶句の後の氷河の一言で、第一回聖域文化祭は、実にあっさりと公開募集が決まった。






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