それから日が暮れるまでの半日ほど、自分が幾度シュンを貫き、どれだけ揺さぶり続けていたのかを、ヒョウガは憶えていなかった。
ヒョウガに翻弄され、息も絶え絶えになりながら、しかし、シュンは決して負けを認める言葉だけは口にしない。
さすがに、ヒョウガは、シュンの身体が心配になってきた。

「シュン、いい加減に観念しろ。もう痛いだけだろう。いや、痛いのを通り越して、何も感じていないんじゃないか? 素直に降参したらどうだ」
「い……や……っ!」
「シュン、いつまで意地を──」
「ヒョウガ……が、僕が壊れちゃってもいいと思ってるなら、いつまでも続ければいい」
「シュン……」

そんなことを思うはずがない。
結局のところ、恋という名の競技場で、ヒョウガがシュンに勝てるはずがないのだ。
ヒョウガは、苦い思いに捕らわれながら、ゆっくりとシュンの身体の内から身を引いた。

「なぜ、そんなにあんな男の肩を持つんだ。俺への当てこすりか。俺を恨んでいるのか。どうすれば──どうすれば、おまえは俺を許してくれるんだ……!」
シュンの横に仰向けになり、右の手で顔を覆って、ヒョウガは呻くように、そう言った。

ヒョウガの口から漏れた呻きを聞いたシュンが、彼の横で、きょとんとした顔になる。






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