更に時代が下った紀元前146年。
アテネを始めとするギリシャ都市国家群は、ローマ帝国の支配を受けることになる。
古代オリンピックはギリシャ人以外の参加を認めていなかったが、ローマの支配下に入ったことで、競技会にはローマが支配する地中海全域の国から競技者が参加するようになり、オリンピアの祭典は次第に変容を遂げていく。
また、紀元392年、ローマのテオドシウス帝がキリスト教をローマ帝国の国教と定めたことで、オリンピア信仰を維持することは困難となっていった。


最後の古代オリンピックが開催されたのは、紀元393年の第293回オリンピア競技大祭。
幾多の戦乱を乗り越え、1169年間もの長きに渡って受け継がれてきた伝統は、終焉の時を迎えたのである。






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