シュンはもう随分と長いこと、何も食べていませんでした。 シュンは、自分の体力に限界が近付いていることに気付いていました。 明日、新しい太陽が昇る頃、シュンの命が終わっていることは確実でした。 けれどシュンは、最期にヒョウガと触れ合えたことがとても嬉しくて、幸せだったのです。 死ななければ叶わないと思っていた夢が、生きているうちに叶ったのですから。 生きているうちに──ヒョウガに、灰色の醜い身体を抱いてもらうことができたのですから。 その上、存在する意味がないと思っていた自分の命が、ヒョウガの命を救うために役立ったのです。 これ以上の幸せはないくらい──シュンは、ヒョウガの腕の中で幸せでした。 |