瞬の肌は、以前よりずっと甘くなっていた。
普通に成長していなかった。
誰かに愛されて、甘やかされて、温かく優しくなった肌。

指で触れるだけで溶けてしまいそうになる瞬の肌は、恐ろしく愛され慣れていた。


瞬は、あの頃の瞬じゃない。

気紛れな俺に、いつもすがるような視線を向けていた、あの瞬じゃない。
些細なことに泣いて、傷付いて――みんな、俺のせいで――、それでも、俺が手を伸ばすと、必死にその手を取ろうとしてくれた瞬。


本当に――可愛すぎた。
そして、俺はガキだった。

好きで好きで、でも、だから傷付けて。


瞬には、瞬の意思と心があった。
俺は、それが邪魔だったんだ。
瞬が、俺の思う通りに存在してくれればいいと思った。

だが、そうなったら、それは、俺の愛した瞬ではなくなる。
それでも、それを捨ててほしいと願った――。


だから、離れたんだ。
おまえを、あれ以上傷付けたくなかったから。


絶対に、こんなおまえを抱くためじゃなかった。





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