「そうか……。おまえは、氷河の美点を好きになったわけではないのか」
「だから、何があっても幻滅もしないの」
幻滅することなく、瞬は矯正しようとするのだろう。
相手は、瞬の“好きな人”なのだから。
その美点が失われれば好意も消える――瞬は、そういうふうに氷河を好きになったわけではないのだ。
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