氷河の指は、僕の中でいつまでも蠢いている。 緩急のあるその微妙な刺激に、僕の身体は疼いていた。 聞いたことがある。 そこを刺激されると、気持ちよくなるんだって。 実際その通りで、僕は、徐々に喘ぎ声を抑えることができなくなっていた。 身体の表面への愛撫なんかいらないと思った。 そうして、やがて訪れるのだろうその時――には、氷河のその綺麗で形の整った指が、彼の男性器に変わるだけで、僕はずっと気持ちいいままなんだと思っていた。 大きく脚を開かされ、両膝を立てさせられた時にも、僕は、恥ずかしかったけど、恐くはなかった。 氷河が僕を見詰めている。 その視線に感じる痛みも――僕と氷河は何か運命のようなもので繋がっているから、だから他の人には平気なその眼差しに、僕は強い力を感じてしまうだけなんだと思ってた。 言葉も何もなく――氷河が僕の中に押し入ってきた瞬間には、ああ、やっぱりそういうことかと、氷河の欲しかったものはやっぱりそれだったんだと、僕は自分の推察が正しかったことを得意にさえ思っていた。 でも――。 その後は、地獄だった。 |