![]() 皆さんは、遠いシベリアの北の果てに、オーロラの火の燃えている雪のお城があることをご存じでしょうか。 雪のお城のお庭には氷の花が咲いていて、氷の噴水があり、小さな小さな氷の滑り台やブランコやジャングルジムがあります。 まるで幼稚園のお庭みたいでしょう? でも、それは当然のこと。 雪のお城には、瞬ちゃんという名前の15人の可愛い雪の小人さんたちが暮しているのです。 それから、もう一人。 氷河という名前の、雪と氷の聖闘士が。 氷河が雪のお城で暮しているのには訳があります。 氷河と雪の小人さんたちは、運命で定められた、生まれた時からのフィアンセなのです。 でも、15人の瞬たちには運命も神様も全然関係ありません。 運命も神様も食べたことはありませんでしたが、小人の瞬たちは初めて出会った時から氷河が大好きで大好きでたまりませんでした。 それはもちろん氷河も同じ。 だって、小人の瞬たちは、本当に本当にほんっと〜に !! 全員がふわふわの淡雪のように可愛らしかったのです。 しかも。 実は、小人の瞬たちは、恋ができる歳になって、15人の心が1つになった時、合体して普通サイズの瞬になることができるのです。 その時には、 瞬1号の『優しさ』 瞬2号の『可愛らしさ』 瞬3号の『強さ』 瞬4号の『素直さ』 瞬5号の『繊細さ』 瞬6号の『甘い物好き』 瞬7号の『初々しさ』 瞬8号の『礼儀正しさ』 瞬9号の『お利口さ』 瞬10号の『明るさ』 瞬11号の『元気』 瞬12号の『本気』 瞬13号の『感じやすさ』 瞬14号の『泣き虫』 瞬15号の『えっち好き』 が全部ひとまとめになった、それはそれは可愛い普通サイズの瞬ができるはずなのです。 氷河は、その時のことを考えただけで、眠れなくなってしまいます。 今でさえ、ただでさえ、可愛らしい15人の小人たち。 その可愛らしさが15倍になって、抱きしめるのにちょうどいいサイズになって、氷河の前に立ったなら……。 氷河の気持ちは、簡単に想像できるでしょう? そう、その通りなんです。 ですから氷河は、毎日男を磨いて、その日の来るのを心待ちにしておりました。 |