「じゃ、作ってくるから待ってな」
とベッドを出ようとすると、風邪をひかないようにと夜着の上下をはおわされた。
お前もな、と瞬の服を投げると、もう少し氷河の匂いを嗅いでいたいと、今度は氷河が赤面するようなことをあっさりと言ってのけた。

全くコイツには叶わねぇな、と思いながら、部屋を出て通路の窓を見れば、外はまだ 夜半の漆黒で覆われている。
その窓ガラスにうつる自分の見なれた戦場での傷跡も、瞬にはどう映っているのかは確かめたことはない。
そして抱くたびに見る瞬の身体に残る傷跡も、いくら愛撫したところで消えるわけではないのだが。




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