翌朝、まだ雪は降り止まずそれどころか吹雪いてさえいる。とてもではないが外に出れそうにはない。
瞬は一人、囲炉裏端で火をみつめていた。
氷河は、というと先程「すまないが一人にしてくれないか。」と言って奥の部屋に閉じこもったきりだ。そのときに彼は「何があっても入らないで欲しい。」
と、付け加えるのを忘れなかった。
そんなわけで多少気にかかることはあるものの瞬は極力、奥に近づかないようにしてその日を過ごしていった。
しかしながら、それが昼、夕ときて夜になると不安が募る。
万が一のことも考えて意を決した瞬は奥の部屋の前に立った。
彼は障子一枚隔てた先で一体何をしているのだろうか。
「氷河、さん。」
恐る恐る声をかけてみる。返事は無い。
もう少し音量を上げてみようと思ったその時、
瞬の視界が白一色になり、体にかかっていた重力が消え、一瞬中に浮いたかと思うと次の瞬間には床にへたり込んでいた。
次第にはっきりとしてくる感覚。
―僕は一体、なにがあったんだろうか?―そう思いつつ、我に返った瞬が見たものは障子が吹き飛んだ部屋の中に立ち尽くす金髪男だった。床には見たことも無い文字が描かれている。
「くそっ、また失敗だ。まったく、、、」
そこまで言って呆然としている瞬に気がつくと しまった という顔をした。
そして次の瞬間、
「みぃ〜〜たぁ〜なぁ〜、、、、」
と、お決まりの台詞を吐いた。
具合の悪いことに、氷河は見られたことに気付いたときに開き直っていた。
そして瞬に近づきながら次に言うべき台詞を探し、それをみつけた。
「見られたからには、、、、。」






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