一輝は、氷河国王からその旨を言い渡されて、即座に国王の魂胆を悟り、瞬を取り戻そうとしましたが、すべては後の祭り。
一度は見えると言ってしまった手前もあります。
一輝は今更、あの服はただの空気だと言い立てることはできませんでした。
それは、お城に勤めている他の者たちも同様です。
誰もが、瞬は正直な振舞いをしただけなのだということを知っていましたが、誰にも、氷河国王の所業を止めることはできませんでした。
これが、面子と建前でできているオトナの社会というものなのです。
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