「僕の……小さな願い事……?」

自分に注がれている氷河の視線を感じながら、瞬は、静かに瞼を伏せた。


「そうだね、ないこともない……」

ないこともない――どころではなかった。
瞬には、どうしても叶えられたい切実な願い事が、たった一つだけあったのだ。



「――可愛い小人さん、可愛い小人さん」

瞬は、その願いを、胸の中で囁いた。





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