瞬が、3つめの願い事を願い終わった時だった。
ふいに氷河が、まるでちょっとした忘れ物か何かを思い出したように、口を開いたのは。

「あ、ところで、瞬。わかっているとは思うが、とりあえず言っておくぞ。俺はおまえに惚れてるからな。多分、俺は、世界中の誰よりもおまえが大事だ」


氷河に突然の告白を聞かされて、瞬は、一瞬、思い切り呆けた。
我に返るまで、瞬は、かなりの時間を要した。

「う……うん。ありがと。あの……」

その時間が過ぎてから、ほのかに頬を染め、顔を伏せる。

「僕もだよ」
そして、蚊の鳴くような小さな声で、瞬は氷河に告げた。

途端に、氷河が、夢から覚めたような顔になり、それから、彼はゆっくりと口許をほころばせた。
「多分……そうだと思っていた」

氷河のその笑顔が、瞬を幸せにしてくれた。





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