瞬の身体には、“昨夜”氷河が残した力任せの愛撫の跡がそこここに残っていた。
その瞬に、“昨夜”よりひと回り大きくなった身体を重ね、瞬を貫くことに躊躇を覚えなかったわけではない。

だが、これまでの奇跡と今夜の奇跡とは、その奇跡の意味が全く違う。
今、この瞬を手離してしまったら、瞬が向かうのは死の国なのだ。

氷河は、瞬を離してしまいたくなかった。






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