半月。
半月の間、俺は死人も同然だった。
長い時間を無為に過ごした後で、やがて、俺の手は動き出した。

瞬に会いたい。
その思いが、それを創らせた。
そして、その作品が出来上がった時、俺は、自分の創ったものの利用価値に気付いたんだ。

俺は、ビエンナーレに出品を予定していた作品を急遽変更した。
絵画から、彫刻へ。

瞬を求める俺の手が創ったものは、瞬の小さな塑像だった。
俺は、ミケランジェロもかくやと言わんばかりの速さで、それを等身大の大理石像に写し、そして完成させた。

自力で探す術がないのなら、マスコミの力を借りるしかない。
これまで散々話題提供をしてきてやった分、奴等に恩返しをしてもらおうと、俺は考えた。






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